英語翻訳の通信講座ならDHC総合教育研究所の英語翻訳/サービス

ご質問・ご相談もお受けします お電話無料 0120-118944 (月)〜(金)9:00〜17:00受付 ※祝日のぞく



猪浦道夫の外国語とつきあう方法

記事一覧へ

猪浦道夫(いのうら みちお)
翻訳家。横浜市立大学、東京外国語大学イタリア語学科卒業後、同大学大学院修士課程修了。イタリア政府留学生としてローマ大学留学。帰国後、ポリグロット外国語研究所を主宰。著書に『英語冠詞大講座』『語学で身を立てる』『3語で話すスペイン語』などがある。

>第70回 助動詞 would とshould (4) should の「独立語法」


 さて前回、直説法だか仮定法だかわからない用法を整理してきたら、どうしても should のほうは別枠で考えたほうがよいという結論に達しました。そこで、今度は should のほうを使う用例を試しに書いてみてください。

【課題】

1.君は無礼を詫びるべきだ。

2.彼女昨日、歯医者に行くべきだったのに。

3.ロビンは今出ます。1時間で事務所につくでしょう。

4.この地図によると、これが我々の進路のはずだ。

5.ヘレンは10分前に家を出たので、もう学校についているはずだ。

6.天気がこんなにいいなんてついている。

7.息子がその試験に合格して驚いています。

8.どうして私がそれを知っているというのか(知っているわけがない)。

9.いったいどうして彼らはあの古い木を倒してしまったのか。

10.ボブが前より一生懸命トレーニングすることはいいことだ。


 それでは、解説を交えて期待されている答をご紹介しましょう。

【訳例】

1.君は無礼を詫びるべきだ。

 You should apologize for your rudeness.

 この用法は広く知られているので、多くの学習者の方々も使えるでしょう。ちょっと考えれば、過去の時制とは何の関係もなく、現在の事柄で「そうすべきである」と、控え目に相手が行うべき義務の意味を表しています。should が完全に独立した「現在形の助動詞」と感じられるでしょう。
 類似の語法に had better がありますが、これは相手をたしなめていう響きがあるので、少なくともあまり知らない人や目上の人には使うべきでないということになっています。

2.彼女は昨日、歯医者に行くべきだったのに。

 She should have gone to the dentist yesterday.

 should は「〜すべきである」という現在の勧告に近いニュアンスとすれば、「〜すべきだった」というふうに、これを過去の事柄について表したかったらどうなるのでしょう。should は起源的に過去形だったわけで、この動詞自体の過去形や過去分詞はありません。そのソリューションとして不定詞を完了不定詞に使うわけです。
 「〜に違いない」の意味の must be の過去形が must have been になるのと同じ理屈です。このように考えてみると、こうした should はもはや完全に「過去現在動詞」化していると言えます。
 なお、この文型を疑問形で使うと、実際にはその行為をしたことを含意するので、注意が必要です。

 cf. Should she have gone to the dentist yesterday?

3.ロビンは今出ます。1時間で事務所につくでしょう。

 Robin is leaving now. He should get to the office in an hour.

 should は「たぶん〜だ」「そうであるはずだ」という、話し手の期待に沿う可能性について使います。単なる推量というより、自然の理としてそうなるはずだというニュアンスが感じられます。

4.この地図によると、これが我々の進路のはずだ。

 According to this map, this should be our way.

 この文も「そうであるはずだ」、場合によっては「そうであってほしい」というニュアンスが感じられます。モノが主語でもこの意味合いは変わりません。

5.ヘレンは10分前に家を出たので、もう学校についているはずだ。

 Helen left home ten minutes ago, so she should have arrived at the school by now.

 3. の文の過去時制バージョンです。理論上は should に過去形があればよいのですが、仕方なく不定詞のほうを split して時制のズレを表しているわけです。

6.天気がこんなにいいなんてついている。

 It is lucky that the weather should be so nice.

 should には、驚愕、意外、怒りなどの感情のニュアンスを帯びることがあります。ニュアンスとしては、日本語の「〜する(した)とは」という訳語がぴったりのように思われます。
 この should は、前回の仮定法的 should のところでご紹介した「要求、提案、必要などを表す動詞、形容詞」などを含む名詞節の中で用いられる仮定法現在の代わりの should と異なり、このケースでは必ず should が用いられ、仮定法現在では代用できません。つまり、この should は米国でも広く用いられるわけです。
 天候というのは話者の意思にはまったく左右されない自然の出来事なので、「天気がこんなに良くなることになるとは」という、根底に宿命、必然のニュアンスを帯びている助動詞である should は、この文脈にぴったりフィットするのです。

7.息子がその試験に合格して驚いています。

 I am surprised that my son should have passed the examination.

 前問と類似の用法です。「息子はその試験に合格する運命にあったとは」というニュアンスであると考えれば、この should の使用も納得がいくでしょう。

8.どうして私がそれを知っているというのか(知っているわけがない)。

 How should I know it?

 この should には、意外であることへの驚き、文脈によっては「おかしさ」を込められています。「どんな自然の成り行きでそれを知ることになったというのか」ということです。

9.いったいどうして彼らはあの古い木を倒してしまったのか。

 Why should they cut down that old tree?

 これも反語の形をとることによって、「そんなことが起こること(を天が導いたというようなこと)はありえない、おかしい」という意外な出来事に対する一種の憤りのような語感が感じられます。

10.ボブが前より一生懸命トレーニングすることはいいことだ。

 It is a good thing that Bob should train harder than before.

 should は that-clause 内の内容についての価値判断を示す用法があります。「判断」は一種の主観的表現ですから、こういう使い方があるのも納得が行きます。感情を表す should の一種と考えてよいでしょう。

【補足】

 Vol. 68. で、「could do, might do のほうは、can do, may do の純然たる仮定法過去の流れをくむものだということです(must については、次回お話しする理由により、また別の問題が発生するのでここではノーコメントとしておきます)」と書いておきながら、must についてまだ説明をしておりませんでしたので、このことについて付記しておきます。
 このエッセイで過去にも言及したと思いますが、must は「本来過去形だった動詞が現在形として使われるようになり、現代では現在形として認識されている動詞」(過去現在動詞と言います)ですので、仮定法過去はやはり must なのです。
 そこで、本来の現在形を保持している can > could, may > might と異なり、must > must という図式が成り立ちます。ただ、仮定法過去として使われる must は「〜に違いない」の意味の断定のケースに限られるので、must have been は「に違いなかった」の意味になり、「〜しなければならなかった」という義務の意味にはなりえないのです。この意味は had to inf. で表すことになります。


  • 講座一覧へ DHCの講座をすべてご覧になれます。
  • おすすめ講座 比較表 レベル/学習時間/講座内容などを一覧で比較できます
受講生の声
講座を修了した方から届いたハガキです。
修了生インタビュー
講座を修了した方に、感想を聞きました!
翻訳家デビューインタビュー
DHCからプロ翻訳家デビューした方に聞きました!
書籍
修了生が参加した書籍や語学書をご紹介。
Mail Magazine
翻訳や、英会話に役立つ無料メルマガです。
  • お問い合わせ(info@edu.dhc.co.jp)