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猪浦道夫の外国語とつきあう方法

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猪浦道夫(いのうら みちお)
翻訳家。横浜市立大学、東京外国語大学イタリア語学科卒業後、同大学大学院修士課程修了。イタリア政府留学生としてローマ大学留学。帰国後、ポリグロット外国語研究所を主宰。著書に『英語冠詞大講座』『語学で身を立てる』『3語で話すスペイン語』などがある。

第59回 助動詞 can(3)・・・推量その他の用法


 前々回の「能力」、前回の「可能性」の用法に続いて、今回は、能力、可能性から派生した様々な用法を、特に「推量」を中心に見ていきたいと思います。例によって、まず、次の日本語を英語で表現してみましょう。

【課題】

1)学生たちによって歓迎パーティが組織されるかもしれない。

2)10円玉もってる? −たぶんもってます。

3)喫茶店はあまりに騒々しくて友達の言うことがほとんど聞こえなかった。

4)もし契約が破棄されたというなら、彼らは信頼できるパートナーであるはずがない。

5)もし契約が破棄されていたというなら、彼らは信頼できるパートナーだったはずはない。

6)ビルはいま日本に住んでいるはずがない。彼の手紙はベルリンから届いているのだから。

7)ビルはそのとき日本に住んでいたはずがない。彼の手紙はベルリンから届いていたのだから。

8)息子はこんな時間に勉強しているはずはありません。

9)その船は一週間以内に横浜に着くわけがない。

10)彼女はいつ論文を書き終わったのだろう。

11)ピーターはポチをまだ公園に連れていってなかったかもしれない。

12)この授業では日本語を話してはいけないのですが、いまは話してもよいです。

13)薬はジェネリックでもよい。

14)私が子供の頃は、この空き地で子供たちが遊ぶことができた。

15)部長は彼がプロジェクトの具体的内容を決定してよいと言った。

16)子供たちの食事を作るの手伝ってくれない?

17)何か書くものを差し上げましょうか?

18)罰として100回腕立て伏せしておきなさい。


 前回の記事の最後のほうに書いたように、「可能性」についての表現というものは、日本語の「できる」という動詞の使い方をあれこれ考えてみても、容易に推量、許可、不満などの表現に通じるものがあります。前回の出題例のなかでも、9) から 12)あたりの文例をみてもそれはおわかりでしょう。例に 9), 10) の文を再度ご紹介しておきましょう。

9) My son can hold (on to) a strap.

うちの息子は吊革につかまれるでしょう>つかまれるかも知れない

10) A great philosopher can take a nap.

偉大な哲学者でも居眠りをすることがある>するかも知れない

 これら2つの例で用いられている can は may に置き換えても論理的にはそうたいした変わりはありません。9) の場合について言えば、may を使えば単なる推量ですが、can を使うと事実上の可能性について述べているという微妙なニュアンスの差があると言えるでしょう。このあたりのことを敷衍して考えながら、出題文を can を使って表現していってみましょう。

【訳例と解説】

1)学生たちによって歓迎パーティが組織されるかもしれない。

The welcome party can be organized by (the) students.

この文では、may を使えば単に可能性があるという意味で、can を使うと実際にどうなるかは別としてその気になればできる、という響きが強いということになりましょう。

2)10円玉もってる? −たぶんもってます。

Have you got a 10 yen coin ? - I may have one.

この文脈では、事実上の可能性は問題にならないので I can have one. は不自然です。

3)喫茶店はあまりに騒々しくて友達の言うことがほとんど聞こえなかった。

The coffee shop was so noisy that I could hardly hear my friend.

so that の構文のなかで使われる can と may は interchangeable ですが、前者のほうが口語的です。これらの助動詞は主節が過去時制だと時制の一致によって could, might になります。

4)もし契約が破棄されたというなら、彼らは信頼できるパートナーであるはずがない。

If the contract was broken, they can't be a reliable partner.

cannot be は must be の反意語で、「〜であることはできない」ということから「〜であるはずがない、〜であってはこまる」といったような意味で用いられます。

5)もし契約が破棄されていたというなら、彼らは信頼できるパートナーだったはずはない。

If the contract had been broken, they can't have been a reliable partner.

cannot beの過去形は通例 cannot have been を使いますが、一応 could not be とも言えます。

6)ビルはいま日本に住んでいるはずがない。彼の手紙はベルリンから届いているのだから。

Bill can't live in Japan now, because his letters come from Berlin.

前問の cannot は普通の動詞でも使えます。

7)ビルはそのとき日本に住んでいたはずがない。彼の手紙はベルリンから届いていたのだから。

Bill can't have lived in Japan then, because his letters had come from Berlin.

前問の文を過去にするとこのようになります。

8)息子はこんな時間に勉強しているはずはありません。

My son can't be studying at this hour.

cannot は進行形とともに用いることもできます。

9)その船は一週間以内に横浜に着くわけがない。

The ship can't be arriving at Yokohama within one week.

cannot を使った未来の事柄についての推量は、この例のように進行形によって表わすのが普通です。

10)彼女はいつ論文を書き終わったのだろう。

I wonder when she can(could) have finished her thesis.

間接疑問文の肯定文で can have done, could have done は「〜したかも知れない」の意味で使われますが、この表現では could have done が普通です。

11)ピーターはポチをまだ公園に連れていってなかったかもしれない。

I don't think (that) Peter can(could) have taken Pochi to the park yet.

間接疑問文の否定文でも、can have done, could have done を、前問と同様に使います。

12)この授業では日本語を話してはいけないのですが、いまは話してもよいです。

You cannot speak Japanese in this class, but you may speak now.

can による許可の表現は 「〜してよい、〜して差し支えない」は、外的な要因や規則などによって許可されているニュアンスがあり、話者が許可を与えるかたちで「〜してよい」という意味合いのときは may を使うのが適切です。

13)薬はジェネリックでもよい。

Drugs can be generic.

Can の主語が無生物でも can の主語となることがあります。

14)私が子供の頃は、この空き地で子供たちが遊ぶことができた。

In my childhood, children could play in this vacant land.

過去のある時点での許可は could によって表わせます。まれには might で表されることもあります。

15)部長は彼がプロジェクトの具体的内容を決定してよいと言った。

The director said (that) he could decide the concrete details of the project.

本例も過去のある時点での許可に関連した叙述ですが、ここでは might を使うと「決めるかもしれない」の意味にとられやすいので、could の使用が適切です。

16)子供たちの食事を作るの手伝ってくれない?

Can you help me with cooking for my kids ?

この例のように「依頼」を表わすこともできます。この場合、Can't you …? とか Can you not …? とか言うと、しばしば苛立ちをもって発言しているトーンになります。また逆に Could you …? だと「〜していただけませんか」といった丁寧な依頼になります。

17)何か書くものを差し上げましょうか?

Can I get you something to write with ?

Can I … ? の形式は Shall I … ? のくだけた「提案、申し出」の表現として使えます。この場合も Could I … ? にするとより丁寧な響きになります。因みに、「書くもの」が紙を指す場合は something to write on としなければなりません。

18)罰として100回腕立て伏せしておきなさい。

You can do 100 push-ups as a penalty.

Can はこの例のように、命令や指示を表わすこともあります。

 3回にわたって can の用法を研究してきましたが、実に多様な使い方をすることがお分かりいただけたでしょう。


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