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英日出版総合コース プロ翻訳家デビューインタビュー (中 勢津子さん)

今回は、「英日出版総合コース」を優秀な成績で修了され、『ベスト・アメリカン・短編ミステリ2012』(DHC刊)の「パトロール同乗」と「ジ・エンド・オブ・ザ・ストリング」という作品を翻訳し、プロデビューされた中 勢津子さんにインタビューしました。

※「英日出版総合コース」は、2017年6月より「英日翻訳 総合マスターコース」として改編されました。

Q今回翻訳された2つの短編について、読者にお薦めされたいポイントを各短編ごとにお教えください。
A 「パトロール同乗」は、女性ライターが取材のために警察のパトカーに同乗する物語です。

彼女の目を通して夜のパトロールでの警察官の仕事ぶりを見ていくうちに、思いもよらない事件があらわになり、それまで張られていた伏線に初めて気づかされる……という、予想外の展開が楽しめるサスペンスです。警察官と彼女の掛け合いや駆け引き、それから相手によって変わる彼女の人格の豹変ぶり(?)も面白いので、是非読んでみてください。

「ジ・エンド・オブ・ザ・ストリング」は、米国人スパイがアフリカの独裁国家で起こるクーデターに巻き込まれていく、短編ながら壮大なスケールの物語です。

エキゾチックな舞台で次々に展開する事件は、まるで映画さながらの臨場感。それもそのはず、著者は元CIAの潜伏スパイで、この物語は実体験を元に書かれているのです。

この作品で大きな魅力を放っているのが、主人公のベンジャミンです。礼儀礼節を重んじ、凛として崇高な志をまっとうしようとするアフリカ人の彼に、日本の武士の姿を重ね合わせ、異国の部族民という遠い存在にもかかわらず、意外なほど親近感や好感を抱いてしまうのは、きっと私だけではないでしょう。

エキゾチックなアフリカの風俗風習、多面的で興味深い悪役の独裁者、それから映画に出てくるスパイとは違う実際のスパイの仕事ぶりや、その切ない立場などを垣間見られるのもこの作品の魅力だと思います。是非楽しんでお読みいただけたらと思います。
Q「英日出版総合コース」を優秀な成績にてご修了後、デビューされたわけですが、こちらの講座について、ー講された理由 講座の良かった点 今回の短編翻訳の際に役に立った点、があればお教えください。
A ー講前の翻訳経験は、主に日英の実務翻訳だけでしたが、もともと読書が好きで、自分も含めて一般の人たちが楽しめるような書籍の翻訳をしてみたいと思っていたので、受講しました。

◆岷册翻訳は読解した英文を日本語に置き換えるだけだから、意味さえ取れれば難しくないだろう」と思っていましたが、やってみて初めて、それは大きな間違いで、自然な日本語、それも人様に読んでいただく商品になるような日本語にするには、大変なスキルが必要だと分かりました。こちらの講座では、さまざまな角度から英日翻訳に必要な考え方や、具体的なテクニックを詳しく学ぶことができたので、良かったと思います。

8曲犬虜戮いニュアンスにまで注意して読み込むことや、臨場感のある表現にするための工夫、余分な枝葉の落とし方など、学んできたさまざまなことが役に立ちました。
Q 「英日出版総合コース」の他に「イングリッシュ・プラス」の受講経験もお持ちですが、こちらの講座について、ー講された理由 講座の良かった点・役立った点、があればお教えください。
A  ̄册翻訳を学ぶにあたり、一度基礎からじっくり学んだ方が、後々力をつけていく上で良いはずだと考えて受講しました。

△海旅嶌造任靴辰りと基礎を学んだおかげで、その後応用力まで身につけられたように思います。中学・高校の文法習得課程で習ってきたような紋切り型の訳し方と違い、翻訳では原文の流れに沿って訳すことや、必要に応じてかなり柔軟に表現を工夫してよいこと、またそれによって、文章がまるで違ったものになるということを学び、翻訳の楽しさに目覚めることができました。
Q ご自身にとっての「翻訳の魅力」とは何でしょうか? また、今後の抱負・夢などをお聞かせください。
A 私にとって翻訳の魅力は、知的で深い体験ができることと、創造性を発揮できる点にあるのではないかと思います。

知的で深い体験というのは、翻訳をすることで、著者が創り出した自分にとっては未知の世界を知り、それを自分の中に取り込めるということです。

翻訳をするためには、ただ単に本を読む場合と違って、作品の奥深くまで入り込まなくてはなりません。著者の思考の跡を辿り、耳を澄ませてその声を聴き取り、その世界に自分を共鳴させるのです。そして、それが完全にできたと思えるまで、何十回、何百回となく文章を読み返すのです。

それは、稀有な深さをもつコミュニケーションです。日常生活の中で、これほど深く人の言葉に耳を傾け、繰り返しを厭わずにそのメッセージを聴き取ろうとすることが、果たしてどれだけあるでしょうか?読書ですら、大抵は一度読んだらそれっきりのことが多いのではないでしょうか?

翻訳の作業をしていると、この特別に深いコミュニケーションによって、あたかも作品の世界が自分の血肉の一部となるかのような感覚を味わうことができます。それは普段の生活では味わうことのできない、不思議な、充実した感覚です。

また、創造的という意味では、私は今回翻訳をしながら、自分が仏師であるかのような感覚を何度も抱きました。

仏師は木の中に仏のイメージを見い出し、のみや彫刻刀を使って仏像を削り出しますが、翻訳者の作業もそれと似ているような気がします。原文を読んで心に沸きあがるイメージを頼りに、目に見えないのみや彫刻刀を使って言葉を削ぎ落とし、無数の可能性の中からたった一つの表現へと落とし込んでいく。その繰り返しによって、自分の想いのこもった、世界で唯一つの作品を創り出すことができるのです。

今回、文芸翻訳を経験させていただき、大変さもありましたが、それをはるかに上回る、ほかでは味わったことのない喜びを感じることができました。

次の目標は、丸ごと一冊本を訳すことです。
Q 翻訳を学んでいる方やこれから学ぼうとされている方へ、励ましの言葉やアドバイスなどをお願いします。
A 以前、同僚のアメリカ人翻訳者から、こんな話を聞きました。

「川端康成がノーベル文学賞を取れたのは、サイデンステッカーの優れた翻訳のおかげなんだよ」

有名な話のようですが、当時何も知らなかった私はそれを聞いて、「翻訳にはノーベル賞を取らせるほどの力があるのか!」と驚愕した覚えがあります。思えばそれが、文芸翻訳に憧れを抱くようになったきっかけでした。

翻訳は奥深く、本当に面白い世界だと思います。

すぐに結果が出るものではないかもしれませんが、あらゆる経験が翻訳の糧になります。研究心を忘れずに、さまざまな本を読んだり映画を見たりするなど、楽しみながら、そして感動を大切にしながら、言葉のセンスを磨く努力を続けていくと良いのではないでしょうか。
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