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DHC翻訳新人賞 翻訳家デビューインタビュー (神崎 朗子 さん)

今回は、DHC翻訳新人賞で入賞され、『ベスト・アメリカン・短編ミステリ』(DHC刊)の「フリーラジカル」と「カミラとキャンディの王」という作品を翻訳し、デビューされた神崎 朗子さんにインタビューしました。

Q翻訳された短編における、ぜひ読んでほしいポイントやお薦めの点はどこですか?
A「フリーラジカル」(Free Radicals)は、カナダの誇る"短編の女王" アリス・マンローの作品です。マンローはカナダの地元オンタリオ州を舞台に、ひとの心の機微や人生の光と闇を鮮やかに描き続けてきた作家ですが、英語圏で高い評価を受け、この数年はノーベル文学賞の候補にも名があがっています。

「フリーラジカル」は、2008年「ニューヨーカー」誌で発表され、最新の短編集 "Too Much Happiness" (2009年)にも収録されました。鮮烈なサスペンスで、歳を重ねてますます筆の冴えわたるマンローのたぐいまれな魅力を堪能できます。

「カミラとキャンディの王」(Kamila and the King of Kandy) は、イギリス出身のアメリカの新進作家、ギャリー・クレイグ・パウエルの作品で、アラブ首長国連邦が舞台です。二人の主人公は、短編の最初から最後まで、ドバイのホテルのフロントで向き合ったまま。しかし、物語は海を越えて大きく広がっていきます。力強い作品です。
Q翻訳される際に、心がけたことや苦労したこと、楽しかったことはどんなことですか?
A原文をしっかりと読み込もうと思い、腑に落ちるまで何度も読み、調べものをしました。自分の訳文も、すこし時間を置いてはくりかえし声に出して読み、少しでも違和感を感じたところは、原文に戻って考え、練り直しました。

今回は二つの作品を担当しましたが、作家の個性や文体がまったく異なるので、そこを訳し分けるのに苦心しました。取り組んでいくうちに、だんだんと細部にわたって情景を思い描けるようになり、登場人物に感情移入できるようになってくると、楽しかったです。
Q『The Best American Mystery Stories 2009』で翻訳家デビューが決まった時のお気持ちを教えてください。
A出版翻訳のはじめての仕事が、ジェフリー・ディーヴァー編集のミステリ短編集と聞いて、まずい、と思いました(笑)。本格ミステリなんて、手に余ると思ったのです。

まもなく原書を手にして、そこに以前から好きなアリス・マンローの名前を見つけたときは驚きました。ミステリの作家ではないのに、なぜ?

しかし、読んで納得。従来の作風とはがらりと異なる、切れ味のいいサスペンスだったのです。深い余韻を残す物語で、ほれこみました。この作品を翻訳できたのはほんとうに幸せなことで、感謝しています。
Q「翻訳の魅力」とは何でしょうか? また、今後の抱負・夢などをお聞かせください。
A著者が作品において表現していること、伝えようとしていることを理解するために、文章を深く読み込んでいく。細部にわたって腑に落ちるまで原文を読み、さまざまな調べものをしていくうちに、見えてくるものがあります。

それを、「著者が日本語で書くとしたらどう書くだろうか」と考えながら、日本語で表現する。非常に難しく苦しいけれど、このうえなくやりがいのある仕事だと思います。もっともっと、力をつけなければと思います。

夢は、この仕事を長く続けていくこと。自分の訳した本が読者に楽しまれ、心に残る作品となってくれたら最高です。
QDHC翻訳新人賞で見事、優秀賞を受賞されてデビューされたわけですが、受賞の瞬間からデビューにいたるまでの経緯を教えてください。
A通知を受け取ったときにはうれしくて思わず涙が出ましたが、なかなか実感がわきませんでした。しかし、受賞後まもなく短編小説の翻訳の仕事をご紹介いただき、身が引き締まる思いでした。
Q翻訳に関して、これまでどのような学習をされてきましたか?
A大学で英文学を学び、翻訳家でもあった教授の翻訳演習を受講したのですが、これはおもしろい、と思いました。

その後、何年も経って、外資系生命保険会社の社内翻訳者として働くうちに、どうしても出版翻訳の仕事がしたくなり、翻訳学校へ通い始めました。

会社を辞めたあとも含め、学校には足掛け五年ほど通いましたが、翻訳家として活躍中の優れた講師の方々のもとで学ぶことができ、翻訳仲間もできて、感謝しています。また、翻訳家の山岡洋一氏の「翻訳通信」からも多くのことを学んでいます。
Q“優秀賞受賞の秘訣”はどのような点にあったと思われますか?
A 締切日の約二週間前に応募を思い立ち、とにかく時間的にぎりぎりで必死でしたので、秘訣というのはとくに思い当たりません。募集期間は長かったのですから、もっと前々から取り組むべきでした。

ひとつラッキーだったのは、課題の作品との相性がよかったことかもしれません。カナダの作家、キャロル・シールズの短編でしたが、このような女性の作家が日常のことや人生模様を描いた作品がとても好きなので。しかし、文章がかなり難解で、読み込むのに苦労しました。
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