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実践・実務翻訳のコツー中上級へチャレンジ!

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執筆:佐藤洋一(さとう よういち)
佐藤翻訳事務所代表
東京都出身。国際基督教大学理学科卒業後、東京工業大学大学院修士課程を修了。
在学中から、論文などの翻訳を始め、フェロー・アカデミーで学んだ後、(株)日本テックを経て、フリーの実務翻訳者として独立。翻訳学校講師も勤めている。『はじめての理系英訳リーディング』(アルク)や『技術英文大全』(オーム社)など、著書・訳書も多数。

はじめに

これから1年間、全24回に渡ってWeb講座「実践・実務翻訳のコツ」を担当させていただきます。本講座では、クイズ形式の演習課題をまじえながら、独学では学びにくい実務翻訳のコツを紹介したいと思います。
本講座で紹介する実務翻訳のテクニックは、実際の仕事に活かすことを目的とするものであり、学問としての翻訳理論ではありません。本講座で紹介する内容は、講師が現場の仕事を通して身に付けてきた実践的なテクニックであり、仕事で使えるノウハウです。
一口に実務翻訳といっても、その分野やドキュメントは多岐に亘ります。本講座では、「実務翻訳」という言葉を「技術やビジネスの各種ドキュメント(文書)の英日・日英翻訳」という意味で使っています。具体的には、コンピュータ、IT関連のマニュアル、カタログ、パンフレット、雑誌、Web記事、書籍、技術資料、仕様書などさまざまなドキュメントを対象として、「英語⇒日本語」または「日本語⇒英語」に翻訳することを意味します。

「読み書き」が実務翻訳の基本中の基本

翻訳力とは、簡単に言えば「読み書き」の能力です。つまり、原文を正しく「読んで」それを正しく「伝える」能力です。「読み」は原文解釈力であり、「書き」は文章表現力といえます。翻訳力とは、この原文解釈力と表現力のバランスの上に成り立つものです。さらに、原文を読んで理解することができる専門知識および一般常識が要求されます。
実務翻訳の力とは、原文解釈力(読み)、表現力(書き)、および専門知識(一般常識を含む)の総合力です。これらの能力は、特殊な才能を必要とせず、経験や学習によって誰でも身に付けることができます。

「真意」を汲み取る

実際の翻訳作業は、原文(英文和訳の場合は英文)を読むことから始まります。そこで最初に行うのは「原文解釈」です。
原文解釈とは、原文の意味を1つに絞り込む作業です。本書ではこれを「真意を汲み取る」と呼んでいます。通常、真意は1つです。実務翻訳の場合、誰が読んでも、1つの文章から読み取れる意味が同じにならなければなりません。
ある意味で原文解釈とは、1つの正解に到達する作業といえます。

「最適な表現」を選択する

真意をつかんだら、今度はそれを対応する国の言語(英文和訳の場合は日本文)で表現(記述)しなければなりません。表現の最終目標は、読み手に対して過不足なく情報を伝えることです。それには、「最適な表現を選択すること」が大切です。この場合、原文解釈とは異なり、正解は1つではありません。数多くの表現のバリエーションが存在するからです。

訳出上の「ポイント」を見抜く

どのような物事にも、ポイントがあります。ポイントを外した勉強をいくら続けていても、あまり効果は期待できません。
実務翻訳の基本的なスタンスとしては、まず原文の「真意」を正しく解釈することです。次に、できるだけ直訳を基本として、「最適な表現」を取捨選択することです。その際、「一般常識」や「専門知識」を活用することも大切です。
すなわち、訳出上のポイントとしては、「真意」「最適な表現」「一般常識(国語力)」「専門知識」の4点を意識することが大切です。ポイントは個々の文によってすべて異なります。これら4点のうち、どのポイントで訳文の差がつくかを素早く見抜くことが大切です。

それでは、実際の翻訳課題にチャレンジしてみましょう。

Q 【英和課題】以下の英文を日本語に翻訳してください。
Use a cable bridge to connect your PC to a distant wall socket.

ヒント


cable bridge「ケーブルブリッジ」(延長コードなどを使用した場合に人が踏んでも破損しないようにコードを覆うためのプラスチック製カバー)、distant「遠くの、離れた」、wall socket「(家庭用100Vの)電源コンセント」

一見すると中学生でも簡単に訳せそうな平易な英文です。筆者はプロ翻訳者を養成する翻訳の専門学校で20年以上も指導してきましたが、この英文を初めて読んで、プロとして通用する訳文の品質レベルに到達した人は10人に一人くらいでした。
あらゆる翻訳において大切なことはポイントを素早く的確に見抜くことです。今回のポイントは1点ですので、訳出上のポイントをじっくり考えてみてください。ご参考までに、典型的な誤訳(=真意を取り違えている訳文)例をご紹介します。

ケーブルブリッジを使用して、遠くの電源コンセントにお手元のPCを接続してください。

いかがでしょう、訳出上のポイントが分かりましたか。正解は次回発表します。

それでは、次回のこのコーナーでまたお会いしましょう!


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